2024/6/30
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「死後事務委任契約」について考える |
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死後事務委任ってなんですか? 死後事務委任契約とは、受任者が亡くなった後の諸手続き(葬儀、納骨、埋葬に関する事務等の「死後事務」について受任者の生前に受任者との間で委任しておく契約のことです。 【1】契約について 民法第653条の規定では、委任者又は受任者の死亡によって委任契約が終了することが定められています。 ただ、この規定は判例によって任意法規であると解されているため、この規定に反する契約も可能です。 したがって、委任者の死亡によって委任が終了しない死後事務委任契約(その他の契約)も認められると解されています。 民法653条が規定している委任の終了事由 ・委任者又は受任者の死亡 ・委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと ・受任者が後見開始の審判を受けたこと 【2】契約の方式について 契約の方式については、通常は「委任」であろうが、「信託」や「負担付贈与」方式も可能です。 【3】死後事務の内容 死後事務委任契約によって委任する死後事務の内容は、委任者と受任者との間の契約によって定めます。 (例えば・・・) ①関係者への死亡の連絡、死亡届の提出 ②火葬許可書の申請・受領・葬儀・火葬に関する手続き ③埋葬・散骨等に関する手続き ④病院・施設等の退院・退所手続き・清算等 ⑤社会保険・国民健康保険・国民年金保険等の資格喪失手続き ⑥住居の管理・明け渡し ⑦車両の廃車手続き・移転登録、運転免許証の返納手続き ⑧遺品整理の手配 ⑨携帯電話やパソコン等に記録・保存されている情報の抹消 ⑩ペットの引き渡し ⑪住民税や固定資産税等の納税手続き ⑫遺産や生命保険等に関する手続き 【4】受任者について 死後事務委任契約の受任者となるために、資格のようなものは特に必要ありません。 遺言執行士も、もちろん死後事務委任契約の受任者になることができます。 【5】受任者の報酬について 死後事務委任契約の報酬に決まりはありません。 委任者と受任者が話し合って金額を定めることになります。 次回は、遺言の執行について解説いたします! 参考資料=「一般社団法人日本遺言執行士協会」 |
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