2024/7/13
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意外と多い住民税・所得税のご質問・・・ |
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行政書士事務所を開業してますと、色々なお客様からご相談やご質問を頂戴いたします。 私が「行政書士事務所」以外にも「1級ファイナンシャル・プランニング技能士事務所」も併設しているから、有り難いことにその分多めにご質問を頂戴できのるか・・・だとも考えますが、意外とご質問の多い項目が「相続や贈与された時の住民税や所得税はどうなるのでしょうか・・・?」です。 これが今は本当に多いご質問ですね・・・(多分、定額減税の影響かと) あくまでも職責上の一般的な説明しかできませんが・・・➡個別具体的な説明は税理士法違反行為になってしまいます!! 結論から申し上げますと住民税や所得税は課税されません!(注意点あり) ところで・・・所得税と贈与税には以下の違いがあります。 所得税とは資産の譲渡や労働などによる役務提供をしたことにより、その対価としてもらうお金は譲渡所得や事業所得に該当し、所得税を納付する必要があります。 一方で、贈与税とは資産の譲渡や労働などによる役務提供に対する対価ではなく、個人からもらうお金は贈与に該当し、贈与税を納付する必要があります。 住民税とは所得税と同じように前年の1月から12月までの所得に応じて納税額が決まります。 住民税は、所得に応じて決まる所得割と、一律に課される均等割から構成されており、この2つを合わせて住民税といいます。住民税の課税対象が所得になるのに対して、贈与税は個人からもらう金銭などの資産に対して課税されるものとなります。 所得税法第九条 第一項第十六号より、贈与で得た所得は所得税に含まれないと規定されています 基本的に、住民税は所得税が課税されるものには住民税も課税されるという認識になります。 よって、所得税法第九条より、贈与により得た所得は所得税の対象ではないため、住民税も対象外という事になります。 贈与を受けた場合に課税される税金は、財産を取得した人に対して贈与税が課税されます。 よって、贈与を受けた際に住民税まで課税された場合には、贈与税と住民税の二重課税になるため、贈与が発生した場合には住民税は課税されません。 なお、贈与を受けた際、取得した財産が贈与税の基礎控除額110万円以上の場合には、贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告書を管轄の税務署へ提出する必要があります。
(注意)贈与・相続時に住民税/所得税がかかってしまうこともあるケースもある 贈与により取得した財産から所得が発生した場合=前提としては、贈与により取得した財産の価額が110万円以下であれば贈与税は非課税となります。 ただし、贈与により取得した財産を不動産として、その不動産を売却した場合には譲渡所得が発生します。 また、その不動産を賃貸に出して家賃収入が入ってきた場合には不動産所得が発生します。 このような場合には、所得税が課税されます。 その他にも株を贈与された場合、110万円以下であれば贈与税は非課税となりますが、その株を譲渡した場合には譲渡所得が発生し、所得税が課税されます。 上記の通り、譲渡所得や不動産所得が発生した場合には所得税が課税されます。 そして所得税と住民税はセットで考えられるため、所得税が課税される場合には、住民税も課税される事になります。
相続税も同じ考えです 亡くなった人の財産をもらうと、もらい受けた人は財産所得が増えます。 ここで、住民税は所得に対してかかる税金のため、財産をもらった人はその分の住民税が増えるようにも思えますが、そんなことはありません。 亡くなった人の財産を相続してかかるのは相続税だけで、住民税はもちろん、所得税など他の税金はかからないことになっています。
因みに相続税・贈与税は「基礎控除」があるのですよ!! 相続税は、遺産の総額が「基礎控除額」(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合に発生します。
*参考資料=国税庁ホームページより
贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。続いて、その合計額から「基礎控除額」110万円を差し引きます。 次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。 <一般贈与財産用>(一般税率) この速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。 例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。
<特例贈与財産用>(特例税率) この速算表は、贈与により財産を取得した者(贈与を受けた年の1月1日において18歳(注)以上の者に限ります。)が、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与により取得した財産に係る贈与税の計算に使用します。 (注) 「18歳」とあるのは、令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」となります。 例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します(夫の父からの贈与等には使用できません。)。
*参考資料=国税庁ホームページより
以上が、大まかな概要ですが贈与に関してはこの他に、相続時精算課税の制度があります。 原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。 この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に一定の書類を添付した「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。 なお、この制度は贈与者(父母または祖父母など)ごとに選択できますが、一度選択すると、その選択に係る贈与者(「特定贈与者」といいます。)から贈与を受ける財産(「相続時精算課税適用財産」といいます。)については、その選択をした年分以降すべてこの制度が適用され、「暦年課税」へ変更することはできません。 また、特定贈与者である父母または祖父母などが亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額に相続時精算課税適用財産の贈与時の価額(令和6年1月1日以後の贈与により取得した相続時精算課税適用財産については、贈与を受けた年分ごとに、その相続時精算課税適用財産の贈与時の価額の合計額から相続時精算課税に係る基礎控除額を控除した残額)を加算して相続税額を計算します。 このように、相続時精算課税の制度は、贈与税・相続税を通じた課税が行われる制度です。
ところでなんですが・・・「行政書士」も「1級FP技能士」も「宅地建物取引士」も「遺言執行士」も一般的な税の相談に応じることもありますが、ここで特に注意が必要なのが、個別具体的な税の相談に応じることはできません!!! 個別具体的な税の相談業務は税理士法により、税理士しか行うことができないと規定されています。 したがって、税理士資格を有しない者が業務以外で、知識があるからといって個人の判断で知人の税務書類を代理で作成するのは、それが無償で行うものであったとしても税理士法違反となります。 税務相談についても、税理士資格を有していない人が、納税者の個別具体的納税について相談を受けて教えたり、アドバイスをしたりすることは税理士法上、違反とされています。
税理士法で定められている独占業務は、無報酬であっても有資格者以外は行うことができないという特殊なものです!! これは、税理士は税金に関わる職業であり、税金は国家において根幹をなすものであるために、税理士試験合格などの要件を満たす知識・経験を有した者のみが税務の代理、税務書類の作成、税務相談を行うべきだと考えられているからです。 また、税理士は、税金の納付をめぐり利害対立する関係にある国と納税者の間に立ち、公正中立な立場で業務を行わなければなりません。 公正中立な立場である税理士が税務相談等に応じることで、脱税などの防止となると考えられています。 税理士でないものが独占業務を行い税理士法に違反すると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されることが税理士法で規定されています。 ですので、「FP技能士」も「行政書士」も「遺言執行士」も「宅地建物取引士」も、あくまでも国税庁ホームページなどに記載のある、全国民が閲覧できる一般的な説明にとどめ、個別具体的な相談は税理士の先生にお願いすることになります。
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