2024/5/15

「遺贈」について考える~その1 包括遺贈とと特定遺贈について

遺贈とは、遺言者が遺言によってある人財産無償譲与することを指します。

これによって財産を譲り受ける者を受遺者といいます。相続人だけでなく、相続人以外であっても遺贈によって財産を渡すことが可能です。

遺言を活用することで死後に財産を寄付することもできます。

死因贈与との違いは、遺贈は単独行為ですが、死因贈与はあくまで契約であるという点です。

【1】包括遺贈とは・・・

包括遺贈とは、相続財産の全部または一部についてい一定割合を示してする遺贈のことです。

①包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します。

②包括遺贈の限定承認または放棄は、家庭裁判所に対する申し述が必要になります。

③自己のために包括遺贈の効力が発生したことを知った時から3か月以内に限定承認または放棄をしなかった場合は単純承認したものとみなされます。

④包括受遺者を除いた遺産分割協議書は無効となります。

⑤包括受遺者は相続債務をも承継しますので、注意が必要です。

【2】特定遺贈とは・・・

特定遺贈とは、遺贈の目的物を具体的に特定してする遺贈です。

相続債務は承継しないのが、包括遺贈との大きな違いです。

②特定遺贈の目的たる財産権は、(停止条件を付していない限り)遺言者の死亡によって受遺者へ移転します。

③特定遺贈の受遺者は、遺言者が死亡した後であれは、いっでも遺贈の放棄ができます。放棄をするために何らかの方式は無く、包括遺贈のような家庭裁判所に申し述べることもありません

④特定遺贈の受遺者の後見人が後見監督人の同意を得ないで遺贈の放棄をした場合、被後見人または後見人は、その遺贈の放棄を取り消すことができます

*「受遺者」って誰がなれるの?そのルールは?

受遺者には、権利能力を有する者なら誰でもなれる

胎児受遺者になれる。

法人受遺者になれる。

受遺者は、遺言が効力を生じる時点で生存していなけらばならず、その時点以前に受遺者死亡したときは、遺贈は効力を生じない。(受遺者の相続人のために遺贈の効力が生じることはない)。

受遺者欠格事由(受遺者にも相続結核の規定が準用されている)に該当する場合も遺贈の効力は生じない。

*「遺贈義務者」って言葉があるけど、誰の事?何をする人?

遺贈義務者とは、遺言の執行をするために必要な一切の手続きをする義務を負う者のことをさします。

①遺言執行者がいない場合は、遺言者の相続人全員が遺贈義務者となります。

②遺言執行者がおらず、相続人がいることが明らかでない場合は、遺言者の相続財産の管理人)が遺贈義務者となります。

③遺言執行者がいる場合は、遺言執行者が遺贈義務者となります。

 

次回は、遺贈についての留意事項と死因贈与について解説いたします!

 

*参考資料=「一般社団法人日本遺言執行士協会」